唾液腺・甲状腺外来
唾液腺・甲状腺外来
「首にしこりを触れる」「顎の下が腫れている」「のどがつかえる感じが続く」「食事のたびに耳の前や顎が腫れる」などの症状は、単なる疲れや一時的な体調不良と思われがちですが、甲状腺や唾液腺の病気が原因となっていることがあります。
甲状腺や唾液腺は首や顎の下に位置し、ホルモン分泌や唾液の産生、嚥下、発声など、日常生活に欠かせない重要な役割を担っています。これらの臓器に異常が起こると、腫れやしこり、違和感として自覚されますが、痛みが少ない場合も多く、発見が遅れることがあります。
甲状腺・唾液腺外来では、首の腫れやしこり、のどの違和感を専門的に評価し、必要に応じて検査・治療・経過観察を行います。気になる症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、体の代謝が必要以上に高まる病気です。
動悸、手の震え、発汗過多、体重減少、暑がり、疲れやすさ、落ち着きのなさなどの症状が現れます。首の前方が腫れて気づくこともあります。
治療は抗甲状腺薬による内服治療が基本で、症状や経過に応じて専門医療機関と連携します。
免疫の異常により甲状腺が徐々に破壊され、甲状腺ホルモンが不足する病気です。
寒がり、体重増加、むくみ、倦怠感、便秘、声のかすれなどがみられ、更年期障害やうつ症状と間違われることもあります。
血液検査と超音波検査で診断し、甲状腺機能低下がある場合はホルモン補充療法を行います。症状や経過に応じて専門医療機関と連携します。
これらは比較的ゆっくり大きくなり、痛みを伴わないことがほとんどです。多くの場合、生命に直接関わることはありませんが、しこりが大きくなると、のどの圧迫感、飲み込みにくさ、声の違和感を感じることがあります。
甲状腺がんは、甲状腺に発生する悪性腫瘍であり、頭頸部領域のがんの中では比較的頻度の高い疾患です。近年は超音波検査の普及により、症状が出る前の早期段階で発見されるケースが増えています。多くの甲状腺がんは進行が緩やかで、適切な診断と治療により良好な予後が期待できることが特徴です。
甲状腺がんは病理組織型により分類され、乳頭がんと濾胞がんが全体の大部分を占めます。これらは分化型甲状腺がんと呼ばれ、比較的予後が良好です。一方、髄様がんや未分化がんは頻度は低いものの進行が早く、専門的かつ迅速な対応が必要となります。特に未分化がんは高齢者に多く、急速に増大する頸部腫瘤として発見されることがあります。
治療の基本は手術療法であり、病期や組織型に応じて甲状腺部分切除または全摘出術が選択されます。耳鼻咽喉科は頸部解剖に精通しており、反回神経や副甲状腺の温存を含めた安全な手術と術後管理に重要な役割を担っています。
以下のような特徴がある場合、悪性を疑います。
耳鼻咽喉科では以下の検査を組み合わせて評価します。
甲状腺腫瘍の診断で最も重要な検査です。結節の形状、不整な境界、石灰化の有無、血流パターンなどを詳しく評価できます。
細い針でしこりの細胞を採取し、良性か悪性かを調べます。短時間で行え、体への負担も少ない検査です。
甲状腺ホルモンの状態を確認し、機能異常の有無を評価します。
良性と診断された場合、多くは定期的な超音波検査による経過観察となります。
大きさの増大、圧迫症状、悪性が疑われる変化があれば、手術を検討します。
悪性が疑われる、または確定した場合は、専門医療機関と連携し、手術を中心とした治療を行います。手術の方法としては、病期や組織型に応じて甲状腺部分切除または全摘出術が選択されます。耳鼻咽喉科は頸部の解剖に精通しており、反回神経や副甲状腺の温存を含めた安全な手術と術後管理に重要な役割を担っています。
唾液腺は、耳の前にある耳下腺、顎の下にある顎下腺、舌の下にある舌下腺からなり、食事や会話、嚥下を支える重要な臓器です。唾液腺の病気は、「腫れ」「痛み」「口の渇き」「食事時の違和感」といった症状として現れます。
唾液の通り道(導管)に石ができ、唾液の流れが妨げられる病気です。
超音波検査やCT検査で診断し、石の位置や大きさによっては専門医療機関と連携し、手術を検討します。
細菌やウイルス感染により唾液腺が炎症を起こします。おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は代表的な疾患です。
抗生物質治療や安静、水分補給が重要です。
唾液腺腫瘍は、耳下腺・顎下腺・舌下腺などの唾液腺に発生する腫瘍性疾患であり、頭頸部腫瘍の中では比較的頻度の高い疾患です。耳下腺に発生するものが最も多く、次いで顎下腺、舌下腺の順にみられます。多くは良性腫瘍ですが、一定の割合で悪性腫瘍が含まれるため、正確な診断と適切な治療方針の決定が重要となります。
唾液腺腫瘍の代表的な良性腫瘍には多形腺腫やワルチン腫瘍があります。多形腺腫は比較的若年者から中高年まで幅広い年齢層にみられ、ゆっくりと増大する無痛性腫瘤として発見されることが多いのが特徴です。一方、ワルチン腫瘍は中高年男性に多く、喫煙との関連が指摘されています。これらの良性腫瘍であっても、長期経過で増大や再発、まれに悪性転化を起こすことがあるため、治療が検討されます。
悪性唾液腺腫瘍には粘表皮がん、腺様嚢胞がん、腺房細胞がんなどがあり、組織型によって進行様式や治療戦略が大きく異なります。特に腺様嚢胞がんは神経周囲浸潤をきたしやすく、局所再発や遠隔転移を生じることがあるため、慎重な長期経過観察が必要です。臨床的には、急速な増大、硬結、可動性の低下、疼痛、顔面神経麻痺などを伴う場合に悪性が疑われます。
炎症性疾患は薬物療法が中心ですが、腫瘍性疾患では手術が必要となることがあります。
特に耳下腺腫瘍では顔面神経が近くを走行しているため、専門的な評価と治療が不可欠です。
当院では、首の腫れやしこりに対して超音波検査を中心に、血液検査を組み合わせて評価します。
超音波検査は痛みがなく短時間で行えるため、甲状腺、唾液腺、リンパ節の診断に非常に有用です。必要に応じてCTやMRI検査、専門医療機関への紹介を行います。
はい。首の腫れやしこりは耳鼻咽喉科の専門分野です
感染症によるリンパ節腫脹は自然に改善することがありますが、2週間以上続く場合は耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
唾石症の可能性があり、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
痛みはなく安全な検査です
首の腫れやしこり、のどの違和感は、甲状腺や唾液腺の病気が関係していることがあります。
早期に正確な診断を行うことで、不要な不安を減らし、適切な治療につながります。
当院の甲状腺・唾液腺外来では、耳鼻咽喉科専門医の立場から丁寧に診察を行っています。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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