のどが痛い・声が出ない
のどが痛い・声が出ない
「のどが痛い」「声がかれる」「声が出しにくい」といった症状は、耳鼻咽喉科を受診される患者さんの中でも特に多い訴えです。風邪や疲れ、声の使い過ぎなどによる一時的な症状で自然に改善することもありますが、症状が長引いたり、繰り返したりする場合には、喉や声帯の病気が隠れていることがあります。
のどは、食事を飲み込む、呼吸をする、声を出すといった生命維持と社会生活の両方に欠かせない働きを担っています。また声は、喉頭にある声帯が空気の流れによって振動することで生まれます。そのため、のどや声帯に炎症や腫れ、傷が生じると、痛みや声のかすれといった症状として現れます。
本ページでは、「のどが痛い」「声がかれる」という身近な症状について、考えられる原因、検査方法、治療、日常生活での注意点までを、耳鼻咽喉科専門医の立場から詳しく解説します。
のどの痛みで最も多い原因が感染症です。風邪などのウイルス感染では、のどのヒリヒリ感、軽い痛み、違和感が主で、鼻水や咳、微熱を伴うことがあります。多くの場合は数日から1週間ほどで自然に改善します。
一方、細菌感染では痛みが強く、高熱や全身倦怠感を伴うことが多くみられます。代表的なものに急性扁桃炎や溶連菌感染症があり、扁桃が大きく腫れ、白い膿が付着することもあります。この場合は抗生物質による治療が必要になります。
空気の乾燥、エアコンによる冷暖房、喫煙、受動喫煙、アルコール、香辛料などは、のどの粘膜を刺激し炎症を引き起こします。特に冬場や声をよく使う環境では、慢性的なのどの痛みや違和感につながりやすくなります。
鼻水がのどに流れ落ちる「後鼻漏」は、のどの粘膜を刺激し、痛みや異物感、咳払いの原因になります。慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が背景にあることも多く、のどの治療とあわせて鼻の治療が重要になります。
逆流性食道炎や咽喉頭逆流症では、胃酸がのどまで逆流することで、ヒリヒリした痛み、違和感、声のかすれ、慢性的な咳が生じます。特に朝起きたときに症状が強い場合は、このタイプが疑われます。
声がかれる状態は「嗄声(させい)」と呼ばれ、声帯の振動が正常に行われていないサインです。
風邪やインフルエンザなどに伴い、声帯が炎症を起こして腫れることで声がかすれます。声が出しにくい、声が割れるといった症状が特徴で、安静と治療により多くは1週間程度で改善します。
長時間の会話、大声、カラオケ、授業や講演などで声を酷使すると、声帯に負担がかかり炎症が生じます。教師、保育士、接客業、歌手など声を使う職業の方に多く、慢性的な嗄声につながることもあります。
声の酷使を繰り返すことで声帯にできる良性の病変です。声がれが慢性的に続き、声が出しにくくなります。音声治療や、必要に応じて手術が行われます。
反回神経麻痺や喉頭がんなどでも声がかれることがあります。特に「2週間以上続く声がれ」「痛みがないのに声がかれる」「徐々に悪化する嗄声」は注意が必要です。
これらの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
口を開けてのどや扁桃の赤み、腫れ、膿の有無を確認します。
細いカメラを用いて声帯の状態を直接観察します。炎症、ポリープ、左右の動きの差などを詳しく評価できます。
溶連菌迅速検査などを行い、細菌感染の有無を調べます。
アレルギー検査、胃酸逆流の評価、画像検査などを行うこともあります。
原因に応じて、解熱鎮痛薬、抗生物質、抗アレルギー薬、胃酸分泌抑制薬などを使用します。
薬を霧状にして吸入し、のどや声帯の炎症を直接和らげます。
声を休めることが最も重要です。加湿、水分補給、禁煙、刺激物を避けることも回復を早めます。
声帯結節やポリープでは、音声治療や手術を検討します。
ウイルス感染による風邪が最も多い原因です。
声の使い過ぎや声帯の病変、神経の病気なども原因になります。
2週間以上続く場合は検査が必要です。
できるだけ声を休めることが回復を早めます。
細菌感染や他の病気が疑われるため耳鼻咽喉科を受診してください。
はい。慢性炎症や喉頭がんのリスクを高めます。
乾燥や胃酸逆流が関係していることがあります。
もちろんです。早期受診が安心につながります。
「のどが痛い」「声がかれる」という症状は日常的で軽く考えられがちですが、原因は多岐にわたり、適切な診断と治療が必要なケースも少なくありません。
症状が長引く、繰り返す、生活に支障が出ている場合は、早めに耳鼻咽喉科での診察を受けることが大切です。
当院では、内視鏡検査を含む専門的な診察により原因を正確に見極め、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行っています。のどの痛みや声の異常でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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